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富士山のような第1期。そして渡された“エベレスト行き”の切符―― 冬アニメ『吸血鬼すぐ死ぬ2』先行上映会レポート

秋田書店「週刊少年チャンピオン」にて連載中の、盆ノ木至先生による漫画『吸血鬼すぐ死ぬ』。

 

タイトル通りにすぐ死んで(すぐ復活する)吸血鬼ドラルクと、苦労人気質な吸血鬼退治人(バンパイアハンター)ロナルド、そして彼らを取り巻く人々のドタバタな日常を描いた“ハイテンション吸血鬼即死ギャグ”作品です。

 

2021年10月~12月にかけてTVアニメ第1期が放送され、声が付くことによって破壊力を増したギャグや、「Y談おじさん:井上和彦」といった衝撃のキャスティングなどで、大きな話題を呼びました。

 

そんな話題作の第2期となる『吸血鬼すぐ死ぬ2』が2023年1月9日(月)より放送開始。放送まで約1ヵ月に迫った2022年12月3日(土)に、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて、特別先行上映会とキャスト陣によるトークショーが開催されました!

 

トークショーにはドラルク役・福山 潤さん、ロナルド役・古川 慎さん、ジョン役・田村睦心さん、ヒナイチ役・日岡なつみさんが登壇。作品同様、ギャグ(ボケ)を随所に挟みつつ、第1期の思い出や第2期の見どころトークに思う存分花を咲かせました。

 

本稿では、イベント第1部の模様をお届けします!

 

 

  • 期の発表は“富士山を登った後にエベレスト行きの切符があると言われたような感覚”!?

まずは、本イベント用にスペシャ“ヌ”編集されたアニメ本編が上映されました。個性的すぎる第1期の登場キャラクターと、彼らに引けを取らない第2期からの新キャラクターが混ざり、よりギャグの密度が増した本作。 コロナ禍につき、お客さんは極力発声(笑い)をこらえますが、この作品を見て「まったく笑うな」というのはなかなかにハード。

 

そんな上映を終え、MCの呼び込みでキャスト陣が登場。日岡さん、田村さんが会場に集まったお客さんへの感謝とともに挨拶をします。続く古川さんはロナルドの名台詞(?)「おっぱーーい!」を披露(お客さんへ配慮し後ろを向きながら)。福山さんもそれに便乗し、欲望のこもったシャウトで会場を温めます。

 

気を取り直し、福山さんが「ご覧になっていかがでしたか?」とお客さんへ問いかけると、客席からは大きな拍手が。その反応を受け、4人とも笑顔を見せました。

挨拶を終え、さっそくトークコーナーへ。第2期のアフレコについて訊かれると、福山さんは「1年ぶりだったはずなのに、久しぶり感があまりなく、テストがヌルっと始まった」とコメント。「第2期からの新キャラクターも、まるで第1期からいたかのような馴染み具合なので、いつからいたのか分からなくなる」と古川さんも続け、本作ならではの感覚について言及しました。

第1期と比べ、第2期で演じているキャラクターに変化があるか福山さんが尋ねると、田村さんは「ジョンが甘えん坊になっている感じがする」と回答。ロナルド、ジョンに当然のように料理を作ってあげるドラルクの“ママみ”が増しているからこその変化だと述べました。

 

日岡さんは「ヒナイチは(ロナルド吸血鬼退治事務所の)床下に馴染んでいる気がする」と彼女の登場の仕方や、事務所のメンバーと打ち解けたことによる変化について語りました。

「第2期の制作を初めて聞いた時」というトークテーマにて、福山さんは「嬉しさと同時に、古川くんと『どうする? 来年キツいかもね』と話した」と冗談交じりに回答。楽しさもありつつ、相応の大変さもあった作品だったことを明かします。

 

続けて、古川さんからは「第1期のアフレコ初日に第2期の制作があることを聞いた」と驚きの事実が。「これから富士山を登って降りるのに、その後にエベレスト行きの切符があると言われているようなもの」と例え、笑いを誘いました。また、「自分たち(声優)の仕事量が、新しいキャラクター、新しい試みによってだいぶ変化しているので、第1期と同じだと思って見る方は絶対に度肝を抜かれると思います」と、第2期の出来について自信を覗かせました。

 

作品に欠かせない、ゲストキャラクターを担当するキャストについても触れ、福山さんは「(ヨモツザカ役)子安(武人)さんが現場で楽しそうなのを見て、この現場がうまくいっているんだなと感じた。ベテランが楽しそうだと嬉しい」と笑顔を見せました。田村さんも「他の現場で『吸血鬼すぐ死ぬ』を話題に出してくださった」と続け、ベテラン陣にとっても、印象深い作品であることが窺えました。

 

さらに、「いい声の人って、ダンディーな役も合うけど変態の役も合う」と福山さん。第1期の時に、速水 奨さん、大塚明夫さん、井上和彦さんの出演予想が的中したそうで、「“この人も来るだろう”と思った人が第2期で登場します」と、お客さんの期待をあおりました。

 

そのまま話題は「Y談おじさん:井上和彦」のような、「吸血鬼名+声優名」という本作ならではのパワーワードについて。福山さんは「マイクロビキニ:安元洋貴」がSNSで話題になった際に、安元さんに心境を訊いたことを明かし、「嬉しい半面、ちょっと腑に落ちない部分もあった」という安元さんの返答に笑いが巻き起こりました。

 

「下半身透明:島﨑信長」など、第2期にもインパクトのある字面が多数出てくるとし、「(パワーワードを)どう料理するかぜひ考えてほしい」と、作品の一風変わった楽しみ方を提案していました。

 

なお、第2期で登場する新キャラクター・ミカヅキとサンズは、前からいたと思えるくらいに馴染んでいるとのこと。それぞれのキャラクターの見どころについて、日岡さんは「(他の街からやって来た)ミカヅキが出てきたことによって、新横浜が普通じゃないことに気付かされた」、福山さんは「サンズの登場によってオータム書店の闇が見える」と紹介しました。

 

 

  • もしヒナイチのキャラソンが出るとしたら……歌詞は“あの2文字”?

第1期の振り返り&第2期の見どころ紹介トークを終え、次はプレゼント抽選会へ。こちらは、福山さん、田村さんがくじを引き、出た席番号の方に特別プレゼントを贈る企画です。

 

田村さんは「ヌー」の掛け声で引いたのですが、MCから「今日はマイジョン(イベント時に田村さんが持ってきているジョンのぬいぐるみ)を忘れてしまったそうですね?」とツッコミが。「そうなんですよ~!」と悔しさをにじませる田村さんに対し、ぬいぐるみを持ってきていたお客さんがそれぞれの“マイジョン”を掲げます。お客さんの気遣いを受け、笑顔を見せた田村さんは、アイドルのファンサービスよろしく、マイジョンを掲げるお客さん一人一人に「ヌー」とジョンの声を返していきました。

ファンとの交流を楽しんだ後は、最新情報の告知コーナーへ。
好評発売中の「キャラクターソング入りサウンドトラック①」紹介時、このCDに収録されるドラルク、ロナルド、ジョンのキャラソンの話題に。

 

ドラルクの曲「真祖にして無敵のドラルク様」は、福山さんが最初にデモをもらった際に「キャラソンとしては100点! でも、歌えるか分からない!」と思ったほどの難曲。ミュージカルのような、ドラルクがステージ上で歌っているイメージで歌唱した、とこだわりを紹介しました。

 

ロナルドの「Make me the Hunter」について、田村さんから「(曲中の)ロナルドは締め切りに追われているんですか?」と質問が出ると、古川さんは「多少カッコよく歌っているのはそういうところに絡んでいますよ」と、楽しみを残すために少しぼかした回答。

 

ジョンの「ジョン・○・グッド・デイ!」は、歌詞を見ると延々と「ヌ」が書いてある異色な楽曲。ディレクション時に「何行目のヌなんですけど~」「どこの!?」というやり取りがたびたびあった、と普通はなかなか経験できない収録エピソードを披露し、笑いが起こりました。

 

ここで日岡さんが羨ましそうに「ヒナイチのキャラソンはないんですか~?」と一言。しかし福山さんが「ジョンの流れでいくと“あの2文字”の曲になる可能性がある」と即座にツッコミます。「イントロでY談おじさんに催眠術をかけられたことにすればいい」「お料理教室の歌にして、電子レンジが“チーン”ならいける」「できあがった料理が“チン”ジャオロース」など、次々とアイデア(?)が飛び出し、客席からは大きな拍手が送られました。

続いてはBD&DVD情報へ。VOL.3に封入されるシークレットアイテム「時をかけるドラルク」のシルエットが解禁されたのですが、そのシルエット、そして“時をかける”という名前でなんとなく察しがついた客席からはクスクスと笑い声が漏れました。

 

告知情報を紹介し終え、エンディングに移る前に、福山さんが本作の見どころの一つとしてOP映像を話題に上げます。今回はOP映像が上映されなかったので、ぜひオンエアで見てほしいと述べると、古川さんも「いいですよね、あれ」と頷き返します。

 

実はキャスト陣でもOP映像を見ているのは福山さん、古川さんだけのようで、田村さんが驚くと、福山さんは「俺らもう知ってるから」とドヤ顔で盛大にあおり、ふたたびお客さんの笑いを誘いました。同時に、OPテーマを歌っている福山さん自身、「想像以上の映像に仕上がっていて度肝を抜かれた」とコメントし、お客さんの期待も大いにあおりました。

 

トークテーマは尽きないまま、イベントはあっという間にエンディングの時間に。最後にキャスト陣からお客さんへメッセージが送られました。

日岡さん:こんなにたくさんの方に2期の始まりを見届けていただけてすごく嬉しいです。1期の時も言っていたんですが、ヒナイチ役は私の中で挑戦の連続でした。今回、見ていただいた回も四苦八苦というか、「こういう感じでもっとやってみよう」とスタッフとも話し合いながら何度もやらせていただき、頑張ってヒナイチちゃんに命を吹き込ませていただきました。ヒナイチはもちろん、他にも魅力的なキャラが2期にもいっぱい出てきますので、ぜひ放送を楽しみにしていただけたらと思います。

田村さん:1期もすごく面白かったんですが、2期も本当にすごいお祭り騒ぎです。ロナルド事務所も家族感マシマシですし、友人関係もすごいことになっています。男子たちのバカ騒ぎみたいな感じが見ていて本当に面白く、新キャラもいっぱい出てきますので、楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。SNSで実況などをしてみんなで盛り上がれたら嬉しいです。

古川さん:ご時世柄、マスクを着用のうえ、笑い声を上げられないこともあったと思いますが、オンエアでは、TVの前で思いっきり腹から笑っていただきたいです。今回上映されたエピソードも、まだ上映していないエピソードも、面白いものがたくさんあります。これから1クール、たくさん笑っていただければありがたいなと思う所存です。新キャラも魅力的なキャラ、変態がたくさん出てきます。1期の時に「どの変態が好きですか?」という話があったんですが、その選択肢がさらに広がると思います。僕はそれが毎週楽しみで仕方ないです。

福山さん:1月9日から、みなさんが毎週大笑いできる、そのまま明るい気持ちで次の日を迎えられる、そんな習慣が再びやってまいります。僕と古川くんは「キツい」とネタとして言わせていただいていますが、この作品は生命力にあふれているというか、「あれをやるんだ」と思うと、全ての力をこの作品に注ぐようになるんですよね。終わった後に言い知れぬ倦怠感、幸せな倦怠感があって、「ああ、今生きてんだな~」と。まあ死ぬんですけどドラルクは(笑)。

 

そんな作品に出会えたこと、そしてみなさまに見ていただける幸せを噛みしめています。「定期的に欲してほしいな」と思わざるをえない、バカな人たちと、変態たちと付き合っていきたいなと思える作品になっていると思います。いろいろ言いましたが、最初から最後まで、みなさんがずっと笑顔になっていただける作品になっています。ハードルを上げまくってもいいくらい自信を持ってお届けできることが本当に幸せです。ぜひ来年1月からの放送をよろしくお願いします。

最後はキャスト全員(+お客さんの心の中)で「Good Night」と言って締め……なのですが、古川さんはここでも全力の「おっぱい」シャウトを披露。最後まで笑いが絶えない雰囲気の中、イベントは締めくくられました。